ヨガレッスンでは、自分自身に意識を向ける時間を大切にしています。
私たちは日々、周囲の期待や役割に応えながら生活しています。家族、仕事、友人、社会の中で求められることに応えようとするうちに、本来の自分の気持ちや望みを見失ってしまうこともあります。
けれども、本当の意味で心地よく生きるためには、まず「自分はどうありたいのか?」という問いに向き合うことが大切です。
今日のレッスンではその問いを胸に、今この瞬間に集中する時間を作りました。
深い呼吸とともに、自分の内側に意識を向けていきます。
吸う息で新しいエネルギーを迎え入れ、吐く息で不要なものを手放していく。
頭の中の雑念や他者の評価、過去や未来への執着を少しずつ手放し「今ここ」に意識を向けることで本来の自分に戻る感覚を味わいます。
ヨガの時間は誰かと競うものではなく、自分自身の心と身体に寄り添う時間です。
他者と比べることなく自分の身体の声、心の声をただ感じる。それが『あるがままの自分』を受け入れる第一歩になります。
そんな気づきを深める詩として、今日は『ゲシュタルトの祈り』をご紹介したいと思います。
『ゲシュタルトの祈り』
フレデリック・パールズ(精神科医・ゲシュタルト・セラピー創始者)
私は私のことをします。
あなたはあなたのことをしてください。
私が生きているのは、あなたの期待に応えるためではありません。
あなたもまた、生きているのは私の期待に応えるためではありません。
あなたはあなた。
私は私。
私たちの気持ちがたまに触れ合うことがあれば、それは最高に素晴らしいことです。
そして、もし私たちの気持ちが通じ合わなくても、それは仕方のないことです。
この詩が伝えるのは「他者の期待に縛られるのではなく、自分の在り方を大切にすること」
そして、それぞれが自分らしく生きていく中で、ふとした瞬間に心が触れ合うことの尊さです。
私たちは時に、他人の期待に応えなければならないと感じることがあります。
誰かを喜ばせることや誰かの役に立つことは素晴らしいことですが、それが自分を犠牲にすることにつながってしまうと、本当の意味で幸せを感じることはできません。
ヨガの時間も、それと同じです。
大切なのはポーズが完璧かどうかではなく、今の自分の状態を知り受け入れること。
今日は身体が重いな、呼吸が浅いな、そんな気づきも大事なプロセスです。
無理をせず、自分のペースでこの時間を楽しむことができたなら、それだけで最高のヨガの時間になったと言えます。
「私は私、あなたはあなた」
——そんなシンプルな言葉が、心にやさしく響きますように。
式部いろは
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